死亡日からなるべく早く(相続人(戸籍)調査)

こんな人のために書きました!
・戸籍とは何か知りたい人
・戸籍調査の方法を知りたい人

① 故人の戸籍謄本収集

遺言書が無い場合、法定相続人を確定させる必要があるため相続人の調査を行います。相続人の調査は、故人の出生から死亡までの途切れのない戸籍を取得することで確定させます。実際に戸籍を見てみると、相続人の知らない前妻との間に子供がいたり、認知している子供がいたり、養子縁組を行っていたなどの事実がでてくることがあります。これらをすべて明らかにせずに相続手続を行うと、あとから発覚した場合に、すべての作業が無駄になる可能性があります。

② 戸籍とは

最初、に戸籍とは何か説明させて頂きます。

戸籍とは、戸と呼ばれる家族集団単位で国民を登録する目的で作成させる公文書であり、各市区町村単位で管理されています。

□戸籍記載事項

・氏名、生年月日
・戸籍に入った原因、年月日
・実父母の氏名及び実父母との続柄
・養子である場合は、養親の氏名及び養親との続柄
・夫婦については、夫または妻である旨
・他の戸籍から入った者につては、その戸籍の表示 
・その他命令で定める事項

 

戸籍は「戸籍謄本(こせきとうほん)」「戸籍抄本(こせきしょうほん)」の2種類があります。戸籍調査を行う際には「戸籍謄本」を選択します。

戸籍謄本は戸籍原本の内容すべてを写している書面なのに対して、戸籍抄本は原本の一部のみを抜粋して写した書面になります。戸籍抄本の一部とは、戸籍全体の中から特定の個人を抜き出すということのため、写しの請求を行う際には、誰ものがほしいか指定する必要があります。

③ 戸籍謄本?除籍謄本?改正原戸籍?

戸籍には「三代戸籍禁止の原則」という原則があります。これは一つの戸籍に記載できる親族関係は「親・子」二代までという原則をいい、(戸籍法第6条本文)「親・子・孫」というような三代の記載をすることはできません。このため、例えばAさんに子供Bさんが生まれた場合、BAさんに戸籍に入り、Bさんが結婚(婚姻届を提出)したら、Aさんの戸籍からは抜けます。これを「除籍」いいます。

結婚や死亡、他の市区町村に本籍地を移す(転籍)などで戸籍内の全員が抜けるとその戸籍は除籍扱いとなり、その写しを「除籍謄本」といいいます。

日本には「戸籍法」という戸籍に関する法律があり、この戸籍法が改正されるたびに戸籍の様式も変更され、その都度新しい戸籍への書き替え行われています。この書き替えを行う前の戸籍にことを「改製原戸籍」(かいせいげんこせき)といいます。この法改正により戸籍の書き替えが行われる場合、すべての内容をそのまま書き写すわけではなく、新しい戸籍が作られると結婚や死亡によって除籍されている人は新戸籍に引継がれません。

例えばAさんが昭和20年に前妻と離婚し、Bさんと再婚したとします。その後Bさんと婚姻関係が続いている場合、現在の戸籍には前妻の名前及び離婚したことは記載されていません。(昭和23年の改製以降、記載がなくなります。)また、Aさんに昭和50年生まれの子供がいて、その子が平成3年に死亡した場合もその時点で除籍され、平成6年の改製後の戸籍にはその子の記載はありません。改製前の戸籍は「改製原戸籍」に残っております。

戸籍が改製された場合、新しい戸籍を見ただけでは、相続関係をすべては把握することができないため、必ず「改製原戸籍」を取得して、相続人に漏れがないことを確認する必要があります。

④ 戸籍調査の方法

戸籍は本籍地にあるため、現住所と本籍地が異なる場合には、本籍地の役所から取り寄せる必要があります。本籍地が分からない場合には、住民票に本籍地を記載してもらうように請求すれば見ることができます。

□戸籍調査の流れ

現在の本籍地で戸籍謄本を請求する。(郵送でも請求可能)
その戸籍に記載された内容を見て、ひとつ前の戸籍謄本を請求する。

(結婚や転籍などがあった場合は、それをたどる。)

②を繰り返して出生時の戸籍謄本まで取り寄せる。

戸籍調査は新しいものから古いものへとさかのぼって取得します。

⑤ 戸籍謄本の請求方法

□請求方法

請求できる人 戸籍に記載されている人、またはその配偶者、直系親族、代理人(要委任状)
請求先 本籍地のある市区町村役場の戸籍係
取得方法 コンビニ、郵送、本籍に住む家族・代理人による取得

 

1.コンビニからの取得

各コンビニに設置してある「マルチコピー機」を使って取得します。マルチコピー機に「行政サービス」ボタンがあるので、そちらをクリックして手続きを行います。取得には「マイナンバーカード」が必要になります。本籍地に住民登録している方は「住民基本台帳カード」で取得可能ですが、本籍地以外に住民登録をしている方は「住民基本台帳カード」では取得できません。

コンビニで取得する費用は、請求先の自治体によって異なりますが、概ね350〜450円になります。コンビニサービスによる取得は現在も未対応の自治体があるため、事前に取得先の自治体が対応しているか、下記サイトで確認してみてください。

利用できる自治体

※地方公共団体情報システム機構のサイトにリンクします。

サービスは年末年始(12月29日〜1月3日)を除いて、毎日6:30〜23:00で取得可能です。

 

2.郵送による取得

郵送で各自治体に「交付請求書」、「本人確認書類」及び「返信用封筒」を送付し、返送してもらう方法です。

交付請求書 各自治体HPより取得。
本人確認書類 顔写真のついた運転免許証、パスポートなどのコピー
手数料 定額小為替(郵便局にて販売)を300円〜450円(1通あたり)
返信用封筒 返信用封筒に送料分の切手を貼り付け

事前に取り寄せ先の役所に電話で連絡するとスムーズに取得できます。戸籍謄本は名義変更の際にも必要になります。名義変更には戸籍謄本の原本が求められますが、通常先方がコピーをして返却してくれるので、取得数は1〜2通で問題ありません。

 

3.本籍に住む家族などによる取得

本籍に住んでいる家族、又は友人に代わりに取得してもらい、自宅に郵送してもらう方法になります。役所へ請求書を送る作業が省かれるため、「郵送による取得」にくらべ、時間・費用を節約できます。しかしながら、知人にお願いする場合・結婚等などにより兄弟とは違う戸籍となっている場合には、知人・兄弟は委任状が必要となる場合があります。

⑥ まとめ

■戸籍の収集は故人の出生から死亡までの途切れのない戸籍を取得する必要がある。

■戸籍は市区町村単位で管理され、「戸籍謄本」「戸籍抄本」の2種類あるが、相続時に必要な資料は「戸籍謄本」。

■戸籍謄本以外に、「除籍謄本」、「改製原戸籍」がある。

■戸籍の取得方法は、「コンビニ請求」「郵送請求」及び「本籍に住む家族等による請求」の3つ方法がある。

※2019年の通常国会に提出する戸籍法の改正案の中に、自分や父母らの戸籍謄本を本籍地以外の市区町村に対して請求できる規定が盛り込まれております。法務省は、法案可決・成立後「2024年前半には、一括請求できるようにしたい」と説明しているため、2024年以降は、戸籍謄本収集作業が劇的に削減される可能性があります。

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大下宏樹(代表社員 税理士・公認会計士)

会計事務所にて相続税申告業務を経験、大手監査法人勤務の後、相続税専門税理士法人better設立。 香川県で3代続く公認会計士・税理士一族の次男。3兄弟全員が同業。常にお客様の「better」を追求する相続税専門税理士。

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