死亡日から5年以内の相続税・税務調査について

こんな人のために書きました!
・相続税の税務調査とは何か知りたい人
・相続税のペナルティーを知りたい人

手続きではありませんが、5年以内に税務調査がはいる可能性があります。

相続税の税務調査の概要

相続税の税務調査とは、相続税申告書を税務署に提出した後に、税務署が財産内容についての漏れや誤りについての有無を調査に来ることをいいます。相続税の税務調査に入る割合は、法人税・所得税と比較した場合に、極めて高い割合になっております。(約20%、5件に1件)

また、相続税の申告に税理士が関与しない場合には、大半が税務調査の対象となっているようです。

税務調査の選定

税務調査はランダムで調査先を選んでいるのではなく、調査先の内容を見て判断します。

税務署では、死亡情報・不動産情報(固定資産税)を市区町村、登記情報を法務局、預貯金・株式情報については金融機関、 生命保険情報については保険会社からの支払調書など故人の財産状況に関する情報を照会・入手することが可能です。税務調査に入る際には、相当程度の確度の情報を持って調査先を選定します。

このため、財産を意図的に隠そうとしても見つかる可能性が極めて高いことから、当初より財産漏れがないように申告を行うことが重要です。

 

税務調査が入る理由

相続税申告書の計算や

評価に誤りがある場合

 

計上している財産の網羅性に問題はないが、税金計算や土地評価の誤りなど、相続税を専門としない税理士による申告や、自分で申告を行った場合に多く見られる申告誤りがある場合が該当します。

 

相続税の申告書に計上されていない、漏れている財産がある場合  

相続税申告において、計上すべき財産に漏れがある可能性が高い場合に該当します。

 

 

税務調査がくる時期

税務調査に対象となった場合、申告してから1年から2年以内にくる可能性が高いです。相続税の時効は5年となっているため、申告期限から5年を経過した場合には、税務調査の心配はないと判断してもよいかもしれません。

 

追徴課税となった場合のペナルティ

税務調査で評価の誤りや財産漏れを指摘された場合には修正申告を行うことになりますが、この際に追加で税金を支払う必要があります。追加で発生する税金は、本来であれば相続税の申告期限である相続開始を知った日から10ヶ月以内で納めるべきであった相続税の支払いが遅れたことに対する「延滞税」が必ず支払う必要があります。

また「延滞税」に加えて、当初の申告では財産を隠したりする意図がない場合に財産漏れ・評価誤りがあった場合には「過少申告加算税」、仮装や隠蔽の意図がなく申告を忘れていた場合には「無申告加算税」、仮装・隠蔽行為により不当に相続税を逃れるような行為をした場合には「重加算税」が課されます。これらは「加算税」と言います。

 

延滞税

 

納付期限の翌月から2ヶ月を経過するまで

原則7.3% ただし、平成26年1月1日以後の期間は年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合。(平成30年の特例基準割合は年1.6%のため、税率は2.6%となる。)

納付期限の翌月から2ヶ月を経過した以後

原則14.6% ただし、平成26年1月1日以後の期間は年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合。(平成30年の特例基準割合は年1.6%のため、税率は8.9%となる。)

 

※法定納付期限に翌日から納付するまでの日数に応じた割合を乗じる。

 

過少申告加算税及び無申告加算税については、調査通知を受けて修正申告などを行った時期によって税率が異なります。

修正申告等の時期 過少申告加算税 無申告加算税
法定申告期限等の翌日から調査通知前まで 対象外 5%
調査通知以後から

調査による更正等予知前まで

5%【10%】 10%【15%】
調査による更正等予知以後 10%【15%】 15%【20%】

【 】書きは、加算される部分(過少申告加算税:期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分、無申告加算税:50 万円を超える部分)に対する加算税割合を表します。更正等を予知してされたものである場合には、調査通知の有無にかかわらず、加算税(調査による更正等予知以後の加算税割合)が賦課されます。

更正等予知とは、税務調査で誤りの指摘を受けた場合に該当します。

 

重加算税については、申告書の提出の有無により税率が異なります。

申告書の提出の有無 重加算税
相続税の申告書を提出していた場合 35%
相続税の申告書を提出していなかった場合(無申告) 40%

 

また短期間(5年)の間に相続税の申告で無申告加算税または重加算税を課された場合には加重の措置が設けられております。

加算税の区分 短期間(5年)の間に相続税の申告で無申告加算税または重加算税を課されたことの有無
無申告加算税 15%【20%】 25%【30%】
重加算税(過少申告加算税に代えて課されるもの又は不納付加算税に代えて徴収されるもの) 35% 45%
重加算税(無申告加算税に代えて課されるもの) 40% 50%

 

税務署の指摘に納得できない場合

税務署の指摘に納得できない場合には、処分を行った税務署長に対して再調査の請求手続き税務調査結果の通知を受けた日の翌日から3ヵ月以内に行います。この異議申し立てに対する税務署の審査期間の法律上の定めはありませんが、通常は3カ月程度で結果がでます。

再調査の請求により主張が認められる割合は約10%程度となっており、90%は負けてしまいますがそれでも10%程度は納税者の主張が認められていますので納得できない場合には、再調査の請求をすべきです。

税務署への再調査の請求結果についても納得できない場合には、国税不服審判所という国税庁の特別機関に、税務署長に対する再調査の請求結果を受けた翌日から1ヶ月以内に審査の請求を行います。なお国税不服審判所の処分に不服がある場合には、その通知を受けた日の翌日から6ヶ月以内裁判所に対して訴えを提起することができます。

 

まとめ

■税務調査が入る理由は、相続税申告書の計算や評価に誤りがある場合または漏れている財産がある場合

■申告してから1年から2年以内にくる可能性が高い。(時効は5年)

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大下宏樹(代表社員 税理士・公認会計士)

会計事務所にて相続税申告業務を経験、大手監査法人勤務の後、相続税専門税理士法人better設立。 香川県で3代続く公認会計士・税理士一族の次男。3兄弟全員が同業。常にお客様の「better」を追求する相続税専門税理士。

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